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小学5年生のプンプンは、転入生の田中愛子に一目惚れします。
二人は仲良くなりますが、愛子の要求に戸惑いを感じ始めます。
同時に、プンプンの家庭では両親の離婚という出来事が起こり、母親と叔父との生活が始まります。
なにより驚いたのが、プンプンの家系の人物がすべて「落書きのようなヒヨコ」の姿で描かれていることです。
2007年から『週刊ヤングサンデー』に、同誌の休刊により、その後2008年から2013年まで『ビッグコミックスピリッツ』に連載された。
単行本は全13巻。
累計発行部数300万部。
第13回文化庁メディア芸術祭マンガ部門の審査員委員会推薦作品に選出。
『おやすみプンプン』のあらすじと概要
『おやすみプンプン』のあらすじ
物語は、小学5年生のプンプンが転入生の田中愛子に一目惚れするところから始まります。
プンプンは愛子に告白し、二人は仲良くなりますが、愛子の要求の重さにプンプンは次第に戸惑いを感じ始めます。
同時期に、プンプンの家庭では両親の夫婦喧嘩が激化し、暴力事件にまで発展して離婚に至ります。
この出来事をきっかけに、プンプンは母親と叔父の雄一と暮らすことになり、名前も小野寺プンプンに変わります。
中学生になると、プンプンと愛子は疎遠になってしまいます。しかし、プンプンは依然として愛子への想いを抱え続け、彼女の存在が生きる上での最大の指針となっています。愛子の影に囚われ続けながら、プンプンは鬱々とした日々を過ごしていきます。
高校時代、プンプンは友人の紹介で「さっちゃん」こと南条幸と出会います。
さっちゃんは漫画家志望の4歳年上の女性で、プンプンの良き理解者となります。プンプンはさっちゃんとの交流を通じて、少しずつ自分の殻を破っていきます。
物語は、プンプンの小学生時代から成人するまでの約10年間を描いており、その間の心の成長や人間関係の変化が丁寧に描かれています。
プンプンは様々な経験を通じて、自分自身と向き合い、成長していきます。
作品全体を通して、プンプンの内面の変化や周囲の人々との関係性の変化が細やかに描写されており、青春期特有の不安や葛藤、人間関係の機微が繊細に表現されています。
また、シュルレアリスムな表現や独特の描写スタイルも相まって、印象的な青年漫画として高く評価されています。
登場人物一覧
- プン山プンプン(小野寺プンプン):主人公。ヒヨコのような姿で描かれる。幼少期は社交的だったが、友人の事故をきっかけに内向的になる。
田中愛子に一目惚れし、彼女への想いを抱え続ける。
感情表現が苦手で、精神状態によって姿が変化することがある。両親の離婚後は母親と叔父と暮らす。 - 田中愛子:プンプンのクラスに転校してきた少女。プンプンの初恋の相手。
複雑な家庭環境を持ち、母親からの束縛に苦しむ。プンプンとは両思いだったが、すれ違いにより疎遠になる。高校時代は芸能事務所に所属。 - 小野寺雄一(雄一おじさん):プンプンの叔父。眼鏡をかけたヒヨコのような姿で描かれる。
人間不信で自己軽蔑の傾向がある。プンプンの保護者となるが、女性関係で問題を起こすなど精神的に不安定。 - 南条幸(さっちゃん):プンプンの4歳年上の先輩。漫画家志望。プンプンの才能を見出し、彼の良き理解者となる。
プンプンの成長に大きな影響を与える。 - プンプンママ:プンプンの母親。自己中心的な面があり、プンプンとの関係は複雑。
- 清水:プンプンの小学校時代のクラスメイト。おっとりした性格で、常に鼻水を垂らしている。
母親を亡くしており、空想や妄想が激しい。後にペガサス合奏団に入団。 - 小野寺翠:雄一の妻。元看護師で、後に喫茶店で働く。近所の喫茶店でアルバイトをしていたときに雄一と出会い、そのまま交際し、精神的に不安定なところのある彼を懸命に支え後に結婚する。
- 神様:プンプンが呼び出す謎の存在。プンプンの内面や葛藤を反映する役割を果たす。
作者: 浅野いにおについて
浅野いにおは1980年9月22日生まれの日本の漫画家・イラストレーターです。
1998年にデビューし、『ソラニン』や『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』など、多くの話題作を生み出してきました。
彼の作品は、現代社会や若者の心理を鋭く描き出すことで知られており、国内外で高い評価を受けています。
2020年には『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』で第66回小学館漫画賞一般向け部門を受賞しました。
『おやすみプンプン』の感想とレビュー
『おやすみプンプン』面白いと評判のポイントとは?
- リアルな青春描写:若者の心情や悩みを深く掘り下げ、共感を呼ぶ。
- 繊細な人間関係:登場人物間の微妙な心理や感情の変化を丁寧に描写。
- 独特の世界観:現実と非現実が交錯する独特の雰囲気。
- 美しい作画:浅野いにお特有の繊細で美しいイラストレーション。
『おやすみプンプン』は、浅野いにおの代表作の一つとして多くの読者に愛されています。
青春期特有の不安や葛藤、人間関係の機微を繊細に描き出し、読者の心に深く響く作品となっています。
現実と非現実が交錯する独特の世界観と、美しい作画も相まって、青年漫画の傑作として高く評価されています。
この作品は、現代の若者の心情を深く理解し、共感を呼ぶ力強いメッセージを持つ、印象的な物語です。
『おやすみプンプン』のレビュー
2012/12/29 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
特徴的なのは、大人のキレ具合だ。普段は普通に社会生活を営む人として描かれているのに、突如として壊れる。その対比として、大人に真っ向から対抗する力もなく巻き込まれるプンプンたちがいる。かわいらしい小学生の生活と、それを取り巻く絶望的な大人の世界のバランスが絶妙だ。
2014/09/12 ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️
一言、感動した。衝撃的な作品だった。類似品のない作風だし今までにもなかっただろう。これはこの人にしか描けないものだと思う。読む前に緊張してしまったし、読み終えてしまうのが心底勿体無かった。
2008/05/28 ⭐️⭐️⭐️⭐️斬新過ぎる。シュールすぎる。
このプンプン、人に説明する時にどうしていいか困る。
一見すると、ギャグに思われてしまいそうです。
しかし、実はかなり社会派。シュルレアリスムの極地です。
『おやすみプンプン』あらすじ総括
◆小学5年生のプンプンが転校生の田中愛子に一目惚れし、告白して仲良くなる。
● プンプンの家庭で両親の離婚騒動が起き、母親と叔父の雄一と暮らすことになる。
◆愛子との関係が深まるが、彼女の要求の重さにプンプンは戸惑いを感じ始める。
● 高校時代、プンプンは4歳年上の南条幸(さっちゃん)と出会い、交流を深める。
◆ さっちゃんとの関係を通じて、プンプンは少しずつ自分の殻を破っていく。
● プンプンは愛子との関係や自分自身と向き合い、成長していく。
◆ 物語は約10年間にわたるプンプンの成長と人間関係の変化を描き、青春期の葛藤や不安を繊細に表現する。
● 最終的に中村家への復讐を果たしつつ、小栗健と結婚して新たな人生を歩み始める